
釈尊[しゃくそん])は、今から約2600年前の昔、インド北部(今のネパール領)に釈迦国[しゃかこく]の王子として生まれました。そして、人間にはなぜ「生・老・病・死」の四苦[しく]の苦しみがあるのか、その答えを求めて、29歳の時に妻子と王子の座を捨てて出家します。その後、約6年間の修行の末、35歳の時に菩提樹のもとで悟りを開き、目覚めたる者、すなわち仏陀となりました。
以後、80歳で入滅するまでの約45年に渡って、四諦・八正道、中道、無常、空、無我、縁起の理法など様々の教えを説き続け、釈尊の教団は、全インドに多くの出家者と国王を含む信者を持つ大教団となったのでした。
釈尊の入滅後も、その大いなる智慧と慈悲の思想はアジアを中心に広まり、文化の発展に大きな影響を与えるとともに、世界宗教として時代と国境を越えて人々の心を救い続けています。
釈尊[しゃくそん]は、釈迦族[しゃかぞく]といわれる部族の出身であり、釈迦族は現在の北インドからネパール領には入る地域に国を築いていました。日本では、「お釈迦さま[おしゃかさま]」と呼ばれることが多いですが、本来、「釈迦」という呼び名は釈迦族という一族を指す言葉であって個人の名前ではありません。したがって「釈迦族の尊者」という意味で「釈尊[しゃくそん]」、あるいは「釈迦牟尼仏[しゃかむにぶつ]」と呼ばれるのが厳密には正しいのです。
「仏陀[ぶっだ]」という呼び名もありますが、「悟りを開きたる者」という意味ですが、多くの仏教の宗派においては「釈尊」を指して使われています。
釈尊の本名は「ゴータマ・シッダールタ」といいます。ゴータマとは「よい牛」、シッダールタとは「目的を達成した者・完成した者」という意味であり、インドにおいて非常に縁起の良い名前となっています。